一人医療法人の設立
個人医院から一人医療法人化すると、多くのメリットがあります。 法人化にするメリットは医療法人にかかわらず共通して存在しますが、 一人医療法人を設立するとどのようなメリットがあるのか、確認していきましょう。
医療法人の設立メリット
1.節税効果の期待アップ
①税率が下がる
個人医院だと所得税として超過累進税率が適用され、課税所得額に応じて税率が上昇し、所得税と住民税合わせて最高約56パーセントという法外な税率になります。 それに対して法人税ですと最高でも法人税法人県民税法人市民税で約29%と、顕著に差が表れます。 また法人化すると、親族を役員にすることで役員報酬を支払い所得分散ができ、利益金額の圧縮を図れ、対応する税率も下げられます。
②給与所得控除を受けることが出来る。
個人医院では、売り上げから仕入れを差し引いた利益に対してそのまま税率がかけられます。 しかし、医療法人の場合、理事長を給与としての収入になります。 給与でもらう場合は給与所得控除というものが受けられ、最低でも65万円控除され、さらなる節税となります。
③退職金を支給できる
役員の退職時に役員退職金を受け取ることが可能になります。個人医院では退職金という概念すらありません。
④保険料を経費化
生命保険料を経費にすることができます。個人医院ですと経費にできません。
2.社会的信用
①医院名
「医療法人○○会」といった看板をあげられます。
②銀行融資を受けやすくなる。
金融機関も個人事業者でなく法人格とみますので融資を受けやすくなります。
3.資金繰り、事業拡大。
①源泉所得税がなくなる。
社会保険診療報酬の源泉徴収がなくなるため、少なからず資金繰りがよくなります。
②事業拡大をすることが出来る。
介護保険事業等への事業の拡大が可能になります。
4.事業承継の円滑化
①事業承継が簡単になる
医療法人であれば、理事長が死亡しても法人は継続するため、新たに理事長を選任するだけで済みます。
②相続税対策
理事長が死亡しても医療法人の財産は法人のものなので医院に関しては相続税問題が生じない。 ただし持ち株については相続税の対象財産となる。