こんにちは。鹿児島で会社設立の支援に特化した会社設立トータルサポート鹿児島の代表、税理士の中村です。
今回は法人設立における注意点で本店所在地についてお伝えしたいと思います。
法人を設立する際、深く考えずに本店所在地を決めてしまう方もいらっしゃいますが、後々本店の住所の変更をしなくてはいけない、銀行口座が開けないなどトラブルの元になることもあります。
それでは、本店所在地に関するチェックポイントを見ていきたいと思います。
自宅にするか賃貸物件にするか
まずは所在地を決める際の選択肢として、自宅にするか、賃貸物件の事務所の二択で悩まれると思います。
自宅にする場合の注意点
その際に一人で事業を始められる方などは初期費用を抑えるため、自宅で開業される方も多いです。自宅の一部を事務所にすることで家賃や水道光熱費の一部を事業の経費として計上することも可能になります。また設立初期の段階では法人として契約できる物件が少ないため、事務所を探すのに時間が掛かることもございます。この点は自宅を本店所在地にすることで余計な労力や時間をかけずにすみます。
ただ、自宅を本店所在地として登記する場合には注意すべき点がいくつかあります。
1つ目は、そもそも住宅用として貸出を行っている物件を、法人の事務所として利用することができるか、大家さんや不動産管理会社などに確認をしておく必要があるということです。無断で登記をしてしまうと後日バレた場合、強制的に退去を迫られることがあります。契約書に載っていないからといって勝手に判断せず確認を取りましょう。
2つ目は自宅の住所が登記簿やHPに載ることで社長のプライバシーが心配になると言うことです。そもそも登記簿には代表者の住所を載せることが絶対的に決まっていますのであまり気にしない方もいらっしゃるかもしれません。ただ、登記簿は法務局でお金を支払わないと取得できませんので、本店所在地を自宅にしてもHPなどに住所を載せなければ、プライバシーについては気にならないかもしれません。
賃貸物件の事務所の場合
次に本店所在地として事務所を借りた場合です。今はバーチャルオフィスというものがあり、そこで法人の登記をすることが可能です。賃貸料も安く、電話も転送などしてくれるので人気があります。しかし法人設立後、銀行口座を開設しようとした場合、本店の所在地がバーチャルオフィスですと口座の開設が極めて厳しくなります。昨今は事務所を構えていても法人の銀行口座の開設は厳しくなっておりますので、バーチャルオフィスでの本店登記は避けたほうが無難かと思われます。
ここでいくつか法人口座を開設する際の注意点を。
- バーチャルオフィスではなく事務所を構えていると可能性が高まる。
- 本店の住所には固定電話を設置しておく。これだけで信頼性が高まります。
- 都市銀行ではなく、地銀や信金などに申し込む。また、本店所在地の近くの支店を選ぶ。
都市銀行などでは特に、なぜ近くの支店ではなく離れた支店で開設手続きをするのかと質問されます。通常より時間がかかるだけでなく、場合によっては開設できないこともあります。
口座開設の際は以上の点を注意してみてください。
ここからは実際に登記する際の住所の記載方法についてです。
先程もお伝えしたとおり、法人設立の際には本店所在地を法務局に登記することとなります。登記の際に記載する住所は法律上番地まででOKとなっております。ですので、マンションやビルの名前、部屋番号までは記載する義務は無いため会社が自由に決めることができます。
メリットとしては同一の建物内で住所を変更した際に登記の変更を行わなくて済むということです。登記の変更にはお金もかかりますので節約にもなります。
デメリットは、HPや登記簿などを見て郵送される郵便物が届きにくい場合があるということです。
以上、会社設立の際に法人所在地を決定する際に注意する点をお伝えさせていただきました。
法人所在地の登記の変更などはお金や手間がかかりますので、今後の事業戦略と併せてお考えになるのもいいのではないでしょうか。