法人税の具体的な計算方法ですが、
会計上の 収益-費用=利益
を、法人税法にいう 益金-損金=課税所得
に変身させていきます。細かな概念上の違いがありまして、実際の金額も異なるものになりますが、とりあえず収益/費用/利益、は会計上の概念で、似たようなものを法人税法上では益金/損金/課税所得、と云うのだなとお考え下さい。
収益・費用、を、益金・損金、に修正するのですから、論理上
- 収益ではあるが、益金ではない
- 収益ではないが、益金である
- 費用ではあるが、損金ではない
- 費用ではないが、損金である
の四項目を検討すれば良いことになります。差額概念である課税所得の金額から見て、利益からの加算になるか、減算になるかによって、この四項目を加算項目、減算項目の二つに分類することができます。すなわち、
- 収益ではないが、益金である
- 費用ではあるが、損金ではない
これらは利益に対する「加算項目」
- 収益ではあるが、益金ではない
- 費用ではないが、損金である
これらは利益に対する「減算項目」とすることができます。
読んでいてちんぷんかんぷんだと思います(笑)
具体的には、罰金系の法令違反の出費は会社の経費で払うのですが、法人税の計算上は経費として認めません、
役員の賞与なども先に届出がされているも以外、会社の経費ではありますが、法人税の計算上経費として認めません、
逆に、受取配当金など経理上は全額雑収入として受入れますが、法人税法上一部は利益の計算から外します
など、経理上の最終利益と法人税対象の最終利益を調整する作業であります。
法人税の申告の際には「別表」と呼ばれる書類の上で実際にこれらの調整を行っていくことになります。ちなみにこの別表、多いです。ややこしいです。現在のところ全部で106種類あります。もちろん106枚全部というわけではなく必要なものだけを作成すればよいのですが、それでも結構な枚数になります。
基本的には別表1、別表2、別表4、別表5①、別表5②、別表6、別表7、別表10、別表16関係で、様々な特例を受ける場合に追加の別表がございます。