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個人事業と法人との経費の違いについて

会社設立トータルサポート鹿児島代表、鹿児島の税理士の中村です。

今回は個人事業と法人との経費の違について説明していきたいと思います。
一般に、法人企業の方が個人事業よりも経費として費用計上できる支出の範囲は広いといえます。

給与関係
●個人事業の場合、家族従業員に対する給料の支払いは青色事業専従者としての要件を満たし、届け出をしておかなければ経費として認められませんでしたが、法人になればそうした制約はなく、家族従業員の働き方に見合った給料を会社の経費として支払うことができます。配偶者控除や扶養控除の範囲での支給にするか、等。個人事業に比べて、ご家族の方の働き方を選択する自由度が高くなるといえます。

 

社宅関係

●賃貸住宅を法人が借り上げて社宅とし、支払う家賃より安い金額で役員(社員)に貸し付けることでその差額を会社の費用とすることができます。また、社宅として購入した場合ですと、借入金の利息や、固定資産税についても会社の経費として処理できます。しかし、社会通念上、社宅と認められないような豪華住宅や、あまりにも個人の負担が安すぎるような場合にはこの処理が認められないこともありますので注意が必要です。

 

生命保険関係

●生命保険料に関して、個人の場合ですとどれだけ保険料を支払っても、最大12万円の所得控除しかありませんが、法人契約で自分(社員・役員)が被保険者、保険金の受取人を法人という保険契約をすると、一定の条件を満たせばその保険料を法人の費用とすることができます。保険商品によっては全額損金とならないもの等もありますが、退職金や設備投資等、将来の支出に合わせた設計をすることで、節税と資産運用の両面から有効に活用することができます。

 

出張手当関係

●個人事業から法人化すると個人事業の時とは異なり会社から給与という形で自分の収入を得ることになるわけですが、それに加えて遠方への出張の際に出張手当(出張日当)という形で非課税の収入を会社から得ることができます。もちろん全額経費です。これには旅費規程の作成等の準備が事前に必要であるという点や、役職や距離に応じて全社員に規定通りに支払われる必要があるという点、また、それゆえに会社が大規模化してくると今度は支出が膨らんできてしまうという点に注意する必要があります。したがって、家族経営からの法人化のような、比較的小規模な新設法人の場合には特に有効な施策だと思います。

 

交際費関係

●交際費ですが、個人事業の場合ですと原則として交際費は全額必要経費になり、その金額に上限はありません(もちろん、調査の際には事業との関連性を追求されることになりますが…)。この交際費、法人化すると一定の制約が課されることになります。資本金一億円以下の法人ですと、「800万円」もしくは、「交際費のうちの飲食代の半分」、このどちらかを選択することになりますので、毎年800万円を超える交際費を計上しているような個人事業主の方にとっては確かにデメリット… の、一つとはなるかもしれません。とはいえ、大部分の個人事業主の方にとっては法人・個人の比較をする際に、この交際費の制約だけを見て法人化を思いとどまる、というほどのものではないかと思います。

 

 個人事業の場合は稼げば稼ぐほど適用税率は上がっていく一方です。こうした経費を上手く活用して、会社と個人、それぞれにどう所得を配分するのがベストかという視点から、経費の使い道を考えることができるという点が法人化の大きなメリットだと思います。

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